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2010/11/10 (Wed) 08:48
小学6年Mさんの事例

カウンセラー育成スーパーバイザーの鈴木です。


「先生、わたし・・・どうすればいいんだろう・・・」


今日は私の実際のケースをご紹介します。
※守秘義務があるので、
考慮した紹介の仕方をしています。

小学校6年生(女子)のMさん。
もう卒業まで間がない3学期の中盤。

いじめられていると悩み、
途方に暮れて相談室を訪れました。

学校側も保護者も、いじめと見ていました。

しかし正確にいうと、一方的ないじめではない。
Mさんにもトラブルを起こす原因がある。

一方的に一人の子を振り回す。
周囲の子がそれに辟易する。

そういう構図もあったのです。

でも、その時のMさんには、自覚はなかった。
ただひたすら、自分は周囲に疎外されている。

そう訴えるのが精一杯の状態でした。


こんな時、カウンセラーはどう応じるのか?
Mさんの上記の問いかけに、どう動けばいいのか?

そもそもMさんのこの質問。

どうすればいいかを答えて欲しいわけじゃない。
そのくらいはあなたもおわかりだと思います。


では、どんな言葉を返して上げればいいのでしょう?

Mさんにも問題があると伝える?
この時のMさんには、先ず、受け容れられない話です。


では、どうしましょう?


「そんなことないよ」と慰める?
Mさん、きっと反応しなかったでしょう(^^;


「それは辛いよね」

これで共感したことになる?
Mさん、ドン引きして、相談室に来なくなるでしょう。


「一緒に頑張ろうよ」

打つ手がないから励ましてみる?
Mさん、きっと失望するでしょうね。


カウンセリングはこんな場面の連続。
心理学の理論なんかまるで役に立たない場面。

少なくともその時のMさんには通用しない。


じゃあ、どう応じればいいの?
ポンとは2つあります。

1)Mさんのその時の心情を言葉にする。

2)Mさんの問題性に関心が向くような応答をする。


この相反する目的を同時に満たす応じ方ができるかどうか。
これがこの場面の勝負どころなんです。


私はこの時、こう返しました。


「なんか、自分だけどうして
こんな目に遭うんだろうって思う?」



Mさん、首を縦に振って、ポロっと涙を落しました。

Mさんの心情に添っていたからでしょう。
1)の「その時の心情を」言葉にできたわけです。

私はしばらくソッとしておこうと思いました。



・・・・・数分の沈黙が流れます・・・・



すると、Mさんがおもむろにこう口を開きました。

「そりゃあ、私にも、悪いところはあるかもしれないけど・・・」

私が発した「自分だけどうしてこんな目に」という部分。

Mさん、そこに反応していることは明らかでした。
最初が「そりゃあ・・」と始まっていることからもわかります。

つまり、「Mさんの問題性に関心」が向いたわけです。

Mさん、この数分の沈黙で、自分と対話していたのでしょう。
私の言葉を受けて、ずっと自己問答していた。

その結果、自分にも悪い所があると、
自分から言い出したのです。


これが“生きた沈黙”といえるわけです。

この沈黙が待てずにカウンセラーが動いていたら?
Mさんの自己洞察は起きなかったでしょう。

そして前述の応答が
二つの目的を果たせた瞬間でもあります。


Mさん、その後、新たな試みに出ました。
クラスで友達作りを始めようとしたのです。

数人がそれに応えようとしてくれました。

彼女が態度を変えたことによって、
応えようとする人間が出てきた。


それが、集団による一方的ないじめとは、
このケースは違っていたことを物語っています。


ただ、残念ながら卒業まで時間がなかった。
Mさんの取り組み成果は不十分なまま終わりました。


アドバイスや励ましなんか要らないんです。

小学生でも、ものをちゃんと見れる。
自分のこともちゃんと知っている。


心から自分の思いを理解された。
そう思った瞬間に、自分で答えを出そうとする。

我々カウンセラーは、人間のもつ
潜在的な可能性を確信するべきでしょう。



確かな臨床力をつけて、自信を深めましょう。
本物の傾聴力を磨き、面接の不安を解消しましょう。


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コメント

1 ■無題

私も正にこれに似た事例を抱えていました。
こう切り返すんですね。
さすがです!

2 ■Re:無題

>けいたん☆自信を育てるセラピストさん

コメントありがとうございます。
お互いがんばりましょう!

3 ■初コメントです。

初回での場合本人の正確な環境が見えない場合が多いですね。正確な捉え方が出来る情報が少なかったりですが…。
この応答がどれだけ早い時点で出せるかと言う事でしょうか カウンセラーが持つ言葉力を磨かなければと感じました。ありがとうございました。

4 ■Re:初コメントです。

>心理カウンセラー まいんさん

コメントありがとうございます。

初回はとても難しいですね。
子どもの場合、初回で決まります。

初回で上手くできないと、
2回目は来てくれません。


5 ■心情に沿う大切さ

教科書には書いていないことだし、同じ答えがでるはずのないことですよね。

難しい、でも、相手が変わった瞬間の手ごたえは、強烈な充実感なのでしょうね…

勉強中のワタシには、とてもためになることばかりです。山は遥かに高そうですが、後ろからついていきます!

6 ■Re:心情に沿う大切さ

>アドラー心理学カウンセラー☆鋭意修行中☆ナガトーカオルさん

先日はありがとうございました。

私は子ども達から多くのことを学びました。

子ども達から学んだことを、
このような形で、あるいはセミナーで、
今度は大人たちとシェアしていくつもりです。

綺麗な心理学には限界があります。

心理学と臨床実践との間には、
大きなギャップがあるのです。

要は現場から学ぶという事が
絶対に欠かせないということですね。

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